お母さんからの質問にお答えします。参考になさってください。
Q1.乳頭の形が陥没しています。赤ちゃんは母乳を吸うことができないのではないかと心配です。 |
A.赤ちゃんは乳頭だけでなく、乳輪まで吸って哺乳します。たとえ陥没や偏平乳頭であっても吸うことはできます。しかし、妊娠中の手入れで突出してくることも多いので、毎日乳頭の手入れをしましょう。もし乳頭が出てこなかったとしても刺激するだけで突出しやすくなったり、乳輪が軟らかく、よく伸びるようになり吸いやすくなります。乳頭の形で気になるの方は、16週以降でしたら早めに相談し手入れ法を教えてもらいましょう。普通の人は妊娠中の乳頭の手入れは要りません。 |
Q2.乳頭から透明な液体が出てくることがあります。初乳が出てしまい赤ちゃんに初乳を与えられなくなってしまうのでしょうか? |
A.妊娠6ヵ月頃からどろっとした透明な液体や黄色い汁が出てくることはごく普通のことです。しかし、出産後出てくる初乳と違いますので赤ちゃんに与えられなくなることはありません。また、妊娠中に出なくても出産後に出る、出ないに関係はありません。 |
Q3.血液が混ざった汁が出てくることがあります。母乳を与えられないのでしょうか?また、異常なことでしょうか? |
A.母乳は血液からできています。ですから血液が混ざって出てくることは珍しいことではありません。乳頭の手入れは続けてください。ほとんどは手入れしているうちに血液が出なくなってきます。もし、量や回数が多い場合は診察をお受けください。妊娠中に乳がん検診もいたします。 |
Q4.おっぱいが小さいと母乳がでないのではないか。おっぱいが大きすぎると母乳がでないと聞いたことがあります。ほんとうでしょうか? |
A.乳房は乳腺と脂肪組織からできています。乳房の大きさの違いは脂肪組織の量によることが多いのです。妊娠するとお乳を分泌する腺が集まった部屋“腺房”や乳管の細胞が増え、大きく膨らんできます。また、出産後ホルモンにより母乳は作られ射出されます。ですから、乳房の大きさによって母乳の出の良し悪し決まる訳ではありませんので大きさはこだわらないでください。 |
Q5.乳房や乳首のマッサージはいつごろから始めたらよいのでしょうか?お腹が張りやすい人はマッサージをやらなくてもよいのでしょうか? |
A. 乳頭の手入れなどは原則的に無用です。陥没乳頭や偏平の人は少しづつ16週頃から手入れをした方がよいというデータもあります。しかし、乳房全体のマッサージはする必要はありません。もし、流産や早産の恐れ(出血・お腹の張りなど)があって注意されている場合は、乳頭の刺激によって子宮の収縮を誘発するのでやめましょう。その場合、希望する場合は36〜37週になったら積極的に始めてください。乳頭の手入れでお腹が張りやすくなったら、手入れをやめて様子をみて張りがなくなるようなら翌日の手入れを続けてください。乳頭、乳房の手入れが必要と言っているのは一部の医療者で、石井第一クリニックも欧米と同じようにその手入れの不必要を学問的に学会で発表しております。是非ご相談ください |
Q6.乳房が大きくなって、いままで使っていたブラジャーがきつくなってしまいましたが、そのまま使用していてよいのでしょうか? |
A.乳房は妊娠により2〜3倍に容積が増えます。妊娠6ヵ月頃になったら1サイズ、1カップ大きめのブラジャーをつけたほうが良いです。ブラジャーを取ったら跡が付くようならサイズを換えたほうが良い時期です。できたらブラジャーを付けずに生活したほうが乳房の発達を妨げず、自然なマッサージ効果があるようです。 |
Q7.乳輪にブツブツしたものがあります。大丈夫でしょうか? |
A.乳輪のブツブツはモントゴメリー腺といって、皮膚腺の一種です。妊娠して目立ってきたのだと思いますが、母乳を与えるには何の問題もありません。 |
Q8.自分の母親は母乳が出なかったと言っています。姉も母乳が出ずミルクでした。私も母乳が出ないのでしょうか? |
A.母乳の出る出ないは多少の遺伝的要素はありますが、ほとんどが出産後の授乳方法に左右されます。出産後、すぐから頻回授乳をしていれば母乳育児は99%はできるものです。さらに上手に授乳するためには上手に赤ちゃんを抱っこするのが一番大切なことです。しかし、上手な抱っこを母乳育児をするために教えてくれる施設はほとんどありません。心配な時にやさしく支援してくれるよくわかっている人がそばにいてくれることも大事なことです。自信をもってやってみましょう。 授乳するためには乳房マッサージが必要と思っている方が多くいらっしゃいますが、それは間違いです。他の動物はマッサージなどしておりませんね。早くから、何回も、深く吸ってもらうことです。 |