母乳育児への具体的方法 当院は現在出産の取り扱いはしておりませんが、産後すぐからの育児、母乳育児のお手伝いをさせていただいております。
育児が不安な方、少しでも良い育児、楽な育児をしたい方はご連絡ください。
母乳育児はいつからでも行うことができます。あきらめないでお越しください。
外来
母親学級へ皆さま、参加していただきます。
当院の方針の説明
母子同室の説明と啓蒙(WHO/UNICEF母乳育児成功のための10ヵ条-第3条)
入院中
入院期間7日間(正常経膣分娩分娩)
分娩直後の抱擁
60分以内の直接母乳(WHO/UNICEF母乳育児成功のための10ヵ条-第4条)
分娩1時間後の帰室(完全母子同室開始)(WHO/UNICEF母乳育児成功のための10ヵ条-第7条)
4時間までの医療介助
4時間歩行開始・・・産褥室へ転室
母子同室のオリエンテーション(WHO/UNICEF母乳育児成功のための10ヵ条-第5.6.8.9.条)
赤ちゃんのお世話の仕方、例えばオムツの替え方、授乳の仕方など多くのことを学びます。
お産や育児には多くの間違った情報が巷に溢れています。ぜひ正しいことを知ってください。
入院中の勉強会
育児指導
沐浴指導
母乳指導
退院指導
外来
母乳確立までの援助
"おっぱいサークル"への紹介(WHO/UNICEF母乳育児成功のための10ヵ条-第10条)
1. 母乳育児の方針を全ての医療従事者に常に知らせること 2.全ての医療従事者に母乳育児をするために必要な知識と技術を教えること 3.全ての妊婦に母乳育児の利点とその方法を知らせること 4.分娩後30分以内に授乳の援助をすること 5.母親に授乳指導を十分にし、母子分離の場合は母乳分泌を維持する方法を教えること 6.医学的に必要が無い限り母乳以外のもの、水分、糖水、人工乳は与えないこと 7.終日母子同室にすること 8.赤ちゃんが欲しがるとき欲しがるままに授乳をすすめること 9.母乳の赤ちゃんにゴムの乳首やおしゃぶりを与えないこと 10 .母乳育児のために支援のグループの作成援助と退院する母親へのグループの紹介をすること |
1.出産前からの乳管開通 2.出産後30分以内の授乳 3.出産後1日8回以上の頻回授乳 4.出産直後からの母子同室 5.母親へのエモーショナル・サポート |
1. 乳房の生理
母乳は誰でも出るもの!
100人98〜99人は完全母乳育児が可能です。しかし、正しい知識と専門家の援助が必要です。
十分に母乳の出ない場合には、適量の人工乳を与えることが大切です。それは決して敗北ではなく、
できるだけのことをしてあげることこそが赤ちゃんのためなのです。
お母さんは最高の育児を赤ちゃんにするべきであり、赤ちゃんには母乳を飲む権利があります。
お母さんに知識と適切な援助があれば必ず母乳育児ができます。
母乳育児に必要なのは、母乳マッサージやカロリー過剰な食事ではありません。
たとえば犬や猫でさえ母乳マッサージや産後特別な食事をし無くても当たり前に母乳育児をしています。
お母様方の知識と母乳をよく知っている医療スタッフの支援です
乳房の生理
妊娠すると普段の数十倍のエストロゲンとプレゲステロンというホルモンが胎盤から分泌されます。
分娩が終了すると泌乳を抑えていたエストロゲンの分泌がなくなり母乳の分泌を促進するプロラクチンというホルモンが急速に分泌され母乳分泌の指令をだします。
それと児が乳頭を吸啜することにより刺激が母体の脳へ伝わりオキシトシンというホルモンが分泌され乳腺のまわりの筋肉を収縮させて乳汁が出始めます。
2. 母子同室への過程と援助 現在当院では出産の取り扱いはしておりません。 どこの病院でも以下を参考にしてください。
入院 |
分娩台の上で出産後30〜60分以内にはじめて授乳を助産師、看護師の介助にて行ないます。
ベッド上で出産後4時間経過(つまり初回授乳後3時間で)すると2回目の授乳を介助で行ないます。
出産後8時間経過の時点で赤ちゃんのおむつ交換、抱き方、乳頭の含ませ方、排気の方法などを個別に説明をうけ、
その後昼夜問わず原則的に頻回の授乳をしていきます。
母乳分泌を良くしていくためにも授乳間隔は3時間以上あけないようにします。
授乳の手順 |
1.おむつ交換 2.手洗い(石鹸で洗った後、乾いた手にウエルパスをこすりつけます。) 3.清浄綿で乳頭を清拭する。拭かないで良いのが原則ですが、汗などかいているときはエチケットですね。 4.赤ちゃんの口に乳頭を含ませる(乳頭の正面に赤ちゃんを抱く) 5.授乳は片方3〜5分で両方与える(1クール)これは十分に上手に赤ちゃんが吸う姿勢ができるまでの方針です。 授乳が終わってもまだ泣いていても、抱っこしたり遊んだり、それでも泣き止まないときにはおっぱいをあげましょう (ダラダラ吸わせたり浅く吸わせると、乳頭のトラブル:亀裂、水疱などになりやすいので注意) 6.排気させる(.ゲップ)は母乳育児のときは少ないものです。あまり出すことにこだわる必要はありません。 7.おむつ交換 |
入院中は毎日スタッフが乳房をみます。
産後は乳管開通の状態の観察、乳房の張り具合や乳汁分泌具合を見ます。
しかし、一番大事なことは上手に赤ちゃんを抱っこしているか、上手に乳首を赤ちゃんの口が捉えているかです。
抱っこが下手だと上手に口に入りjませんし、赤ちゃんの吸せつ反射を有効に活かせません。
それだけでなく乳頭トラブル(痛い、皮がむける、血豆ができるなど)の原因となります。
よりよい乳汁を出すために毎回授乳前には乳管開通の状態をみますが、母乳育児に1番必要なのはマッサージではありませんし、乳管開通操作でもありません。
母子の姿勢や上手に吸っているかを見ることが大切です。乳汁がたくさん出ることとたくさん飲めることは別のことです。
WHOの10カ条には乳房マッサージも乳管開通操作もありません。
事実、私たちの施設の統計ではこれらがなくても日本一の母乳育児ができていることを数多くの学会や講演会で証明しています。
ましてや、母乳のための食事などナンセンスです。
退院後の授乳 |
原則的には自律哺乳(ほしがったら吸わせる)ですが、母乳の出をよくするために、また乳腺炎をおこさないためにも3時間以上あけることは避けましょう。
このことは当院は開院当初から言ってきたことですが、AAP(アメリカ小児科医会)も最近そう述べています。
乳房のトラブル |
以下の症状がある場合、早めに、なるべく午前中に外来受診してください
乳房がはって強く痛みがある 硬結(しこり)ができてしまった 乳房が赤くなっている 発熱した 乳頭をいためてしまった 赤ちゃんが上手に吸えない |
3. 母乳を出すためのポイント
頻回に吸わせましょう |
原則的に自律哺乳ですが、生後3ヵ月頃までは満腹中枢、空腹中枢がない反射的吸啜の時期であるため頻回授乳をしましょう。
多くの当院出産のお母さんは1日12〜15回授乳をしておられます。
徐々に自分なりのペースができてくるわけですが、離乳食完了までは7〜8回の授乳をおすすめします。
母乳を長く続けるために、また乳腺炎の予防のためにも頻回の授乳が大切です。間隔をあけると母乳を分泌するホルモンが減少します。
さらに乳房に溜まった乳汁は新たに乳汁を作らなくなる為に、1日の母乳分泌量が少なくなります。
ひいては赤ちゃんの体重が増えなくなります。
左右吸わせて1クール、まだ欲しそうなら2クール与えます。 |
授乳は十分ふかく吸わせて下さい。
外国の文献では「片側何分でも吸わせなさい」と書いてありますが、長く吸わせすぎると人によっては、乳頭を痛めたり、
亀裂、乳腺炎の原因になることがあります。
上手になるまでは時間制限もやむなし、と考えています。
乳房の手入れ |
乳頭の手入れ:乳頭刺激のため、軟らかくして吸い易くするために行ないます。必ずしも必要ではありません。
残乳処理:原則的には不要です。乳房の張りが強く気になる時は状況により実施することもあります。
マッサージをする場合は乳房全体をもみほぐす方法は避け乳輪のみとします。
温湿布、冷湿布、マッサージは指示がない限りやめましょう。
乳頭の清拭は原則的に要りませんが、汗などお母さんの肌が汚れている時は軽く拭くのも良いでしょう。
:消毒液(アルコールなど)は必要ありません。
−乳房マッサージは必要?− 当院では毎日乳房マッサージをしていますが、母乳育児をする為に乳房マッサージは必須ではないようです。 |
4. 乳質
赤ちゃんにも味覚があります:美味しいおっぱいが好き
左右の乳汁の味をみましょう:やや甘い乳汁が美味しい
赤ちゃんがあまり飲まない時、乳腺炎の時など味が違います
カロリーのとりすぎに注意 |
食事についてはあまり神経質になる必要はありませんが、油っこいもの、甘いもののとりすぎはさけ、あっさり食が好ましいようです。
おっぱいをたくさん出す食事などというものはありません。当院の統計が示しています。
バランスが取れ楽しく食べられるものが一番です。
授乳間隔は3時間以上あけない |
乳腺炎になりやすくなり、ひいては味の悪いおっぱいになってしまいます。
乳汁分泌が減少してしまいます。夜間も起こしても頻回授乳をしましょう。
5. 母乳不足感
母乳不足と母乳不足感とは違います。一般的に言われているものは母乳不足感のことが多いので誤解しないようにしましょう。
母乳不足は体重増加をみる以外はわかりません。
自己判断でミルクを足してしまう事が多いようですが、母乳不足を感じたらまず相談して下さい。
どうしても不安でお母さんの健康を害するおそれがあるようなら、まず糖水を与えてみたらいかがでしょう。
私たちはアレルギーの原因や母乳間隔の長くなる危険のある人工乳よりも一時的な補足には糖水をお勧めしております。
現在、母乳哺育学会や日本母乳の会で論争真たっだ中です。
−体重増加の目標− WHOは1日15gの増加で良いといっています。 当院では体重増加がみられてから1日23g以上4ヵ月以降はその半分以上を目標にしております。 例え、児の体重が目標を下回った場合でもちょっとした工夫で母乳が十分飲め、 体重がしっかり増える事もたびたびあります。ご相談下さい。 |
よく見られる母乳不足感 |
1.いつまでも乳頭を離さない:いつまでも吸うのは反射的吸啜のため 2.授乳間隔が短い: 赤ちゃんはよく泣くもの。 赤ちゃんの胃袋は小さいからすぐおなかがいっぱいになる反面、母乳は人工乳より消化がよいのですぐにおなかがすくのです。 そのためによく泣くのです。人工乳の消化には4時間を要しますが、母乳は90分で消化してしまいます。 そのため1〜時間で赤ちゃんが欲しがるのは母乳不足ではなくて、自然の欲求とお考え下さい。 3.乳房が張らない: 分泌の良い悪いは乳房の張りの有無とは正比例ではないのです。よく出るおっぱいはつきたてのお餅の様に軟らかいのです。 (催乳(さしぢち):吸われるとさしてくる乳房) 4 .不機嫌: 泣いているのは不機嫌と違います。1日の内でぐっすり寝ている時間があれば不機嫌ではありません。 5.尿の回数、量の減少: 尿は1日に6〜8回出ていれば大丈夫です。便はよく飲んでいても個人差が多く便秘の場合があるため判断しにくいのです。 |
−糖水の作り方−
5%の濃度:100ccの白湯に5gのグラニュー糖を溶かしたもの
1回量は20cc〜40ccまでとします。しかし、3時間以上起きない場合は与えすぎです。
必ずスプーン、スポイト、コップなどを使用し、ゴムの乳首を使わない
−外出時の対策-
1.外出は3時間以内とするようにして下さい。 2.3時間以上になる場合は赤ちゃんと一緒にでかけるとよいでしょう。 3.赤ちゃんと共にでかけることができず、長時間になってしまう場合は冷蔵母乳(6時間以内)や冷凍母乳を利用しましょう。 お母さんは授乳時間の頃、乳房の圧抜きをします *おちょこ一杯程度の搾乳 |
冷蔵母乳 |
仕事や託児所などで直接授乳できない時は容器に搾乳して6時間以内に飲ませれば冷蔵保存でも可能です。
6時間を超えるとビタミンCの顕著な減少が報告されています。
(1997年日本母性衛生学会 森山ら)
−搾乳器−
電動のものと手動のものとの2種類があります。
搾乳器は機械的にむりやり搾りますので乳房の組織を傷めてしまったり、乳頭を過度に刺激して乳頭のトラブルをおこすことがあるので
搾乳器を使用するときには、その機種の選択には注意が必要です。
乳房はデリケートです。たとえ少量しか搾れなくても手で搾乳するのが一番です
(しかし、未熟児などで長期にNICUへ入院している場合は、必要になることがあります。ご相談下さい)。
搾乳器ならどれでも良いわけではありません。ぜひご相談ください。
−搾乳方法−
1.手を石鹸でよく洗います。 2.乳房をよく拭きます。 3. 消毒しておいた容器に後搾りと同じ要領で搾ります。 |
冷凍母乳の作り方 |
きれいに搾乳した母乳を母乳パックに入れます。たくさん搾れても1袋に入れる量は8分目程度までです。
空気を抜いてしっかり折り返し接着します。シールには搾った日時、量を書きます。病院等へ運ぶ場合は名前も書きます。
冷凍庫へ入れて保存します。母乳パックのまま保存すると壁や氷にくっついて袋が破れてしまうことがあります。
ビニール袋に包んでから保存するとよいでしょう。冷凍母乳を運ぶ場合は保冷シートに包んだり、
アイスボックスに入れ解けないようにします。
冷凍母乳は家庭用冷凍庫で1週間以内で使いましょう。
解凍方法と与え方 |
冷凍母乳は容器ごと水につけて解凍します。熱湯で解凍すると蛋白質が分解してしまったり、免疫体が壊れてしまうのでやめましょう。
55℃以内の微温湯で5分以内で解凍し、完全に解凍したら40℃前後のお湯で人肌程度に温めて容器に移しかえます。
電子レンジ使用の場合には、2分以内とすればビタミンCの変性のないことが確認されていますが、
蛋白質が変性する為、使用できません。
(1997年日本母性衛生学会 森山ら)
与える前には必ず腕の内側に母乳をたらし温度を確かめます。
搾乳は哺乳ビンで与えるのではなくスプーンかコップ、ストローで与えます。搾乳の飲み残りは捨てて下さい。
現在では保育所で冷凍母乳を与える権利が与えられています。保母さんには冷凍母乳を拒否できないよう義務付けられています。
お願いしてみましょう。
6. 混合栄養
人の赤ちゃんに本来“牛のおっぱい”である人工乳(粉ミルク)を飲ませることは望ましくありません。理由は“赤ちゃん”は牛ではないからです。
本書のいたるところで書かれていますが、人工乳を与えると種々の悪いことが起こります。
たとえば、一滴の人工乳でアレルギーの原因を作ったりする可能性が生じます。
また、“母乳が足りない”と思い人工乳を足すと赤ちゃんは満腹になりグーグー寝てしまい、
もっと母乳が出なくなってしまうのは日常良く見られるところです。
一般のお母さん、おばあちゃんはもちろん病院の小児科や、産婦人科の医師や、看護婦、助産婦、保健婦さんのなかにも
粉ミルクを与えることに何の疑問ももたない、あるいは母乳が出ないのだから仕方ないと思っている方達が非常に多いことは驚くほどです。
アフリカやヨーロッパでは処方箋がなければ人工乳が買えない国もあるほどです。
そのくらい規制されてえいる人工乳ですが、日本や韓国、台湾などアメリカ文化に染まった国では人工乳が巷に氾濫しています。
乳業会社の販売力による影響もあります。
お母さん達のなかには実際はほとんど人工栄養なのに“ちょっと後ろめたい”ために『混合』と言っている場合も多いようです。
しかし、人工乳がこの世の中に不要かといえば、決してそんなことはありません。
当院のお母さんの中にも、人工乳を与えて赤ちゃんを育てている方も勿論いらっしゃるのですが、
それは100人に1〜2人しかいないのです。あとは全部母乳だけで育児をしています。
“おっぱいで赤ちゃんを育てる一番のコツ”は人工乳を足さない、あるいは過剰に足さないことなのです。
しっかりと知識を持って母乳育児をしていたとしても、十分に母乳が出ない方もいらっしゃいます。その場合のコツは、
できるだけ人工乳を与えすぎないこと、です。
与えすぎると赤ちゃんは太りますが、よく寝てしまい頻回授乳ができにくくなり、ますます母乳量が減ってしまいます。
人工乳は最低量与え、頻回授乳を繰り返せばいずれ人工乳の必要ない時期が訪れますし、
そうでなくてもいつまでも母乳は出続けます。
1年間、半々くらいの混合育児ができたら素晴らしいではありませんか!!
一時、人工乳を足したとしても、おっぱいが出てきたら人工乳を中止して母乳だけにするつもりで、“ミルクは時間稼ぎ”と考えてください。
具体的な混合栄養の方法 |
既述の“母乳不足”のところにあるように、確実に母乳が足りないと診断されたらまずは糖水などを補足し、
それでも足りないと判断され可能ならば“搾乳”し搾母乳をスプーンで与えます。
これでしばらく時間稼ぎをして母乳が十分に分泌されるのを待ちますが、それでも足りない、
あるいは近い将来母乳の分泌が増えてくる見込みがない場合には、やむをえず人工乳を与えます。
1.量: |
−ミルクの作り方の注意点−
1. ミルクを使用する時は使用する器具を消毒したものを用います。 2. 手洗いを十分に行ってからミルクを作りましょう。 3. ミルクは正確に作りましょう。缶にきちんと記入されていますからよく読んで粉ミルクの量とお湯の量は正確に。 ぬるいお湯で人工乳を作ってはいけません。80度以上の熱湯で作り、冷ましてください。 4. ミルクは作り置きしてはいけません。必ず児が飲む時に作ります。また、飲み残しを次回に与えるということはやめましょう。 5. 粉ミルクは正常な保存がされていれば製造から1年半は品質が保たれています。 6. 開缶後は1ヵ月以内に使用します。湿気や虫が入らないようにしっかりと蓋をし、乾燥した涼しい清潔な場所に保管します。 7. 冷蔵庫の保管は取り出した時に缶壁に水滴がついて吸湿の原因になるのでやめましょう。 8. スプーンは缶の中に入れないで他の器具と同じように消毒して保管します。 |
消毒方法 |
1. 煮沸消毒 たっぷりのお湯に入れて哺乳瓶や乳首が鍋肌につかないようにします。 煮沸時間は沸騰してから10分間煮沸します。乳首は3分間煮沸すればよいので 火を止めるる3分前に入れるとよいでしょう。(原則的に乳首は使いません) 2. 蒸気消毒 哺乳瓶は蒸し器の布巾の上に置きます。 蒸気がではじめてから5〜6分間消毒します。 3. 薬液消毒(ミルトン消毒) ミルトンという薬剤を水道水で希釈して使用します。その消毒液の中へきれいに洗った器具を入れて 1時間つけておくと消毒ができます。 何度も使用できますが消毒液は1日1回作り変えます。 容器は金属でなくプラスチック等を利用しましょう。消毒した容器は水洗いをしないでそのまま使用します。 4. 電子レンジ消毒 耐熱ガラス製の器にたっぷりの水を入れ哺乳瓶を浸して沸騰してから5〜6分作動させれば消毒ができます。 煮沸、蒸気消毒より時間と熱量がかかるのが欠点です。 |
授乳中にお仕事をされる場合でも母乳育児は続けられます。
しかし、職場での環境や赤ちゃんを預かってくれる方の受け入れ態勢によって方法は変わってきます。
多くの職場においては、搾乳する場所や時間もとれないのが現状です。
しかし、ちょっとした工夫で卒乳まで母乳育児を続けている人は数多くみられます。
社会復帰を決めたら1ヵ月から2週間前に相談にお越し下さい。
その時に、職場の状況(勤務時間、休憩時間、冷蔵庫の有無、搾乳場所の有無など)や
赤ちゃんを預かってくれる方の受け入れ(搾乳を与えてくれるか、スプーンで与えてもらえるかなど)を確認しておいて下さい。
母乳育児を続けるためのポイント |
冷蔵、冷凍母乳をうまく使います。 ゴムの乳首を使わないでスプーンなどで与えます。コップからでも十分に飲めます。 赤ちゃんと一緒にいる時は母乳を吸わせます。 勤務中は時々搾乳をしておきます。 |
赤ちゃんにとってお母さんのだっこやおっぱいがとても大事なことが近年益々科学的に証明されてきました。
例えば、不登校やいじめ、少年犯罪、非行などが母子関係のみだれ、
母子の絆がうまくできなかったためとわかってきました。
母子関係を良くするためには、生まれた時から1日24時間母子が触れあっていなければなりません。
人間は哺乳動物であり、お母さんのおっぱいが子供の心と体を育てることは哺乳動物の掟と言っても過言ではありません。
戦後しばらくの間、合理的な育児が推奨され、人工乳の方が楽で栄養があると言われたことがありました。
石井第一産科・婦人科クリニックは、原則的に人工乳を使わない育児をおすすめしています。
種々の学会で日本一の母乳育児施設と認められています。
赤ちゃんが泣いたり、すぐにおっぱいをほしがったりすることは、決して異常なことではありません。
お母さんこそ日々不安をかかえて育児しているのです。
本当に必要な時には私共の方から人工乳を足すなどの手を差し延べますのでご安心下さい。
ご家族の方が暖かく見守ってあげることがお母さんにとって何より必要なのです。心配を助長させるのではなく励ましてあげて下さい。
一人で悩まないようお母さんを支え、ご一緒に相談におこし下さい。
育児支援こそ、私たちの目指すところです。