避妊


産後の家族計画

家族計画とは、自分達が欲しいだけの子供を、欲しい時期に生むということです。今は赤ちゃんのことで頭の中がいっぱいだと思います。
ご夫婦のためにこの出産を機会に理想的な家族計画を考えて下さい。


産後の性生活

   いつ頃からよいのか・・・

産後、悪露がでている間は子宮内に傷がある証拠ですから、1ヵ月後の定期健診までは慎み、医師の許可がでてからにしましょう。

   避妊はしっかりと

産後月経はいつ始まるのか・・・?

早い人で産後1ヵ月半で始まることもあれば、遅い人で1年以上かかることもあります。(個人差が大きい)

特に授乳中は2年間月経がないこともあります。早目に次の子が欲しい方はご相談ください。

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いつ月経がくるかわからない

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月経の前には排卵がある(妊娠する可能性がある)しっかり授乳している人は、おおよそ半年間は妊娠する可能性が少ない、といわれています。

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月経がまだなくても避妊する必要があります=実際にどうやって避妊するのか


避妊法の分類

 

方法

名称

使用品目

薬物

ピル、錠剤、ゼリー

器具

コンドーム、ペッサリー、IUD

その他

オギノ式基礎体温法、性交中絶法

作用機序

精子を膣内に入れない

コンドーム、性交中絶法

精子を子宮内に入れない

ペッサリー

精子を殺す

錠剤、ゼリー

排卵日を避ける

オギノ式基礎体温法

排卵を抑制する

ピル

受精卵の着床を防ぐ

IUD

医師が行う

ピルの処方と内服中の検査

IUDの挿入

ペッサリーのサイズ測定、使用法の指導


選択法、効果、副作用

 −夫婦に合った方法を−

 避妊方法はさまざまで、それぞれに長所、短所があります。

コンドーム

産後すぐ使用できるのはコンドームのみです。数ある避妊具のうち、ただ一つ男性が器具を使用する方法です。薄い丈夫なゴムでできている細長い袋で、
これを男性器にかぶせます。
射出された精液は袋の中に溜まります。
約14%の失敗が起こるといわれております。

=注意=
  精液溜めを指でおさえて空気を抜いて、はじめから装着する事が大切です。

   破らないようボッキしてから用います。

   膣内に落とさないよう、事後早めに手を添えて離します。

  破れた時は膣内の精液を流し出し、錠剤かゼリーをすぐ使用するとよいでしょう。

     産褥は感染予防の為に少なくとも半年間はコンドームと他の避妊用具を併用するとよいでしょう。

錠剤・ゼリー

産後2ヵ月から使用可能で、殺精子剤の入っている避妊薬です。

−錠剤−

事前5分位前に寝たままの状態で挿入します。錠剤が溶けて20分以内に射精が終わるのが望ましいです。20分以上の時は追加して下さい。

=注意=
   立ったりすると流れ出る事があります

    溶けにくかったら濡らすか、割って使用して下さい

  入口でなく奥まで入れて下さい

−ゼリー−

  入れたら起き上がらないようにしましょう。

『マイルーラ』・・・・・・殺精子剤を含むオブラート状の製剤で、膣の奥に挿入し膣内で溶け、避妊効果を発揮します。

IUD((リング:子宮内避妊器具)

産後2ヵ月から使用可能です。子宮内に器具(IUD)を入れて、受精卵の子宮内着床を妨げ、妊娠を防ぐ方法です。
産後しばらく経過したのち使用を希望する場合は、生理が終わった直後10日以内に来院して下さい。

☆赤ちゃんの為に頻回授乳をしている場合には、原則として6ヵ月までに妊娠する可能性はとても低いと言われています。
ですからIUD(リング)挿入は赤ちゃんの4ヵ月健診時で良いと思われます。

=注意=

   医師により挿入してもらい、妊娠を希望する時には取り外してもらいます

 約2〜3年ごとに交換するのが望ましいといわれています

経口避妊薬(ピル)

口から飲む避妊薬です。生理が始まって5日目から3週間飲み続けて下さい。
授乳中は母乳の量を減少させますので、適しません。

=注意=

    1回でも忘れてはなりません

   ホルモン剤であるため、人によって副作用を起こすことがあるので、必ず医師の指導のもとで服用することが必要です。

     低容量ピルの処方(自費)も行っています。ご相談下さい。


排卵日を知る方法(オギノ式、基礎体温法)

―オギノ式−

荻野学説(排卵日は、次にくる月経の前の日から逆算して、12〜16日までの5日間にある)に従って行う避妊法です。

=注意=

   月経の記録のない人、ひどく月経が不順でみだれる人、授乳中の人などは使用できません

−基礎体温法−

 自分の健康状態を知るためにも効果的です。排卵がおこった事を確認後は自然な夫婦生活ができます。

=注意=

  夜、最低5〜6時間は眠れることが必要である為、授乳期には利用できません。

   婦人体温計を使用し、目覚めたら舌の下で測り記録します。

   低温層から高温層に入って3日目まで避妊します。

不妊法(永久避妊法)

 男性の精管、女性は卵管を結紮して切断します。妊娠不可能となるため、夫婦間で十分考え、お互いの合意のもとで行うことが大切です(後悔しないように)。

女性

   産婦人科で実施(当クリニック可能)

    お腹を切る為、それなりの注意が必要です

    1週間程度の入院が必要です。お子さんが数人いて、お産の入院中だと便利でしょう。ご相談ください。

男性
    泌尿器科で実施(ご希望の方は紹介します)

    手術は簡単で危険性も少ないのですが、最近免疫の面で注意を喚起させる意見もあり、積極的にはすすめていません

  入院は不必要

     これらの手術はいずれも保険がききません。